流産手術

  • 他院で流産と診断された場合は必ず紹介状をお持ちください。紹介状がない場合、流産と診断できるまでに複数回の診察が必要となる場合があります。
  • リスクを伴う手術に関しましてはお受けできないこともありますのでご了承ください。

手術に関してまず知りたい情報

手術に関する基本的なこと。不安だけど何もわからなくて、という方はまずここをチェック。

どんな手術

吸引器を使用して赤ちゃんのふくろ、周りの組織を排出する手術です

料金は?

保険が三割負担の方で手術当日の費用は約20,000円です。
それ以外に術前検査費用10,000円、術後初回診察費用が約1,000円です。

手術の流れは?

入室→点滴の麻酔で眠っている間に手術をします(ここまでが10分前後の事が多いです)
その後目が覚めたら院内で休んでいただきます。
麻酔のお薬の影響が取れ帰宅可能と判断できたらご帰宅となります。
麻酔の影響の取れやすさは個人差があります。
来院からお帰りまで三時間ほどのことが多いです

当クリニックの手術のポイント

手術を行う病院は多いですが、方法はさまざまです。
当院が特にこだわったポイント、おすすめできるポイントがこちらです。

院内は女性医師、女性スタッフのみ

受診者様への配慮のため、院内は男性の立ち入りをお断りしております。また、当院ではスタッフへの勉強会などを定期的に行っております。

専門知識豊富なスタッフが複数常駐しておりますので、ご安心ください。ご不明、ご不安な点などありましたら遠慮なくお問い合わせください。

WHOの推奨する安全な中絶に関するガイドラインに沿った『吸引法(MVA法)』

従来日本では掻爬法という方法が主流でした。これは、スプーン状の器具やハサミの先が輪になったような器具を使用します。その器具を子宮内に入れ組織を排出する方法です

一方、子宮内膜へのダメージが少ない方法として、WHOが2012年に吸引法を推奨しました。

当院の流産手術は子宮に優しい手動式吸引法(MVA法)で行っています。

※手動式吸引法(MVA法)の特徴:
①専用の使い捨て器具を使用します。
②金属より柔らかいプラスチック管の器具を使用するのでダメージがより少ないと言われています。

痛みのある処置は眠ってから行う完全無痛手術

従来は手術前に子宮頸管(子宮の入口)を広げる処置を行うことが主流でした。これは、頸管にスポンジ状の細い棒を留置し、手術時に抜くのですが、痛みがあります。手術を安全にスムーズに行う目的で行われてきました。しかし、吸引管が細いため、術中に軽度の拡張を行うことで安全に手術可能です。

2012年の日本産婦人科医会の調査結果でも、拡張の有無で安全性に差がでないことが立証されました。そのため、当院では痛みを伴う処置を行わない手術が可能となっています。

土日祝日なども含め手術日の選択肢があり、追加料金なし

手術を希望される方が、仕事や学校を休まずに済む選択肢があるように配慮しました。 当院では手術の日による追加料金は頂いておりません。

悩んでいる方にとってより多くの選択肢を提示できればと思います。
※リスクのない方に限ります

妊婦検診の受診者様はいらっしゃいません

流産が判明すると、精神的なご負担は大きいものです。

当院では妊婦検診を行っておりませんので、おなかの大きな妊婦さんを目にしてつらい思いをすることを避けられます

術前のよくあるご質問

どうして流産してしまったのか?

妊娠22週未満に赤ちゃんが亡くなってしまったことを流産といいます。12週未満の早期流産は全ての妊娠の約15%に生じるという報告があります。
早期流産の原因のほとんどは胚(赤ちゃん)にあると言われています。染色体の数や構造が原因で、これ以上育つことができない場合に流産が起こります。
また、母体の生活習慣や仕事などが原因となることはほとんどありません。流産はつらいことですが、ご自身の行動を思い悩む必要はありません。
また、繰り返す流産の場合には、原因の検索についてご提案することがあります。

流産したらどうしたらいいの?

母体を健康な状態に保つために、子宮を妊娠前の状態に戻していくことが必要です。方法として、自然に待つ方法と手術を行う方法があります。
赤ちゃんの袋が小さいケースでは、待てば自然に排出される可能性があります。無理のない範囲での日常生活を送っていただいて構いませんが、急な腹痛や大量の出血が起こる場合があります。痛みは痛み止めで対応しますが、いつ症状が起きるかわからない不安もあると思います。
また、赤ちゃんがおなかの中で亡くなった事実がつらいので、と早めの手術を希望される場合もあります。長期に待機する場合、子宮内の感染リスクもあり、待機期間には限りがあります。そのため結局は手術が必要になるということもあります。一方、手術は子宮穿孔や出血、麻酔に伴う合併症などのリスクは存在しますが、ご自身の予定が決めやすく、待機期間中の感染リスクが低いのはメリットと言えるでしょう。
これらを総合的に判断し、より良い選択をされるのが良いと思います。

自然待機と手術でまだ迷いがある場合はどうしたらいい?

大切な体のことですから、きちんと考えて方針を決めることが大事だと思います。
一度来院し診察と術前検査をお受けいただいているかたは、手術の方針が決定した場合にお電話で手術日程の予約をして当日来院→手術が可能です。

自然排出した場合に必要なことは?

自然排出の場合、水の入った袋状の組織が排出されます。排出物は検査に提出する必要がありますので、可能でしたらビニール袋などに包んで持参し、ご自身は出血の様子や子宮内の遺残がないかなどの検査を受けて下さい。
特に急ぐわけではありませんので、夜間の場合などは出血や体調が落ち着いていれば翌日診療時間にいらっしゃって下さい。

術前診察では何をするの?

スタッフによる問診、医師による診察と手術説明、採血検査、術前術後の説明などです。医師の診察ではエコーにて手術可能かどうかのリスクチェック、週数の確認など行います。
スタッフのお話の際は、当日の持ち物など詳細についてご遠慮なくご質問下さい。

安全性については?

2012年に日本産婦人科医会が行った統計では、従来の掻爬法より吸引法の方が安全という報告が出ました。

①子宮内遺残(手術したが子宮内に組織が残った状態。出血や感染の原因になることがある)
②子宮穿孔(子宮に穴があいてしまい、緊急手術や止血を要することがある)
③輸血を要する大量出血

上記合併症は掻爬術でそれぞれ約5倍(①)、7倍(②)、2倍(③)の頻度で生じていました。

これらを考慮し、当院では吸引法を使用した手術を行っています。手術ですので、100%安全ですとは言い切れません。リスクのある方は最初から高次医療施設をお勧めすることもあります。
一番安全な方法をご提案できればと思います。

不妊になるのでは?

確率としては高くありませんが、術後子宮内膜の癒着が起きてしまうことがあります。アッシャーマン症候群という合併症です。
術後の月経の様子を確認し、月経が来ないなどの症状がある場合はご相談下さい。治療が必要と思われる場合には適切な医療機関へのご紹介をしています。

術後のよくあるご質問

どのくらいの出血がありますか?

月経の通常量を目安にして下さい。月経の多い日を超える出血が続く場合にはご連絡下さい。
一時的に出血の塊が出ることは時々ありますので、経過を見て頂いて構いません。体調が悪い場合にはご連絡下さい。

仕事は休まなくて大丈夫?

特に注意点などのご説明がない限り、翌日からデスクワークなどは可能です。
貧血のひどい方などは鉄分のお薬を処方しますので、無理なさらないでください。

熱があるのですが?

手術直後はやや体温が高くなることがあります。当院から処方の抗生剤や鎮痛剤を内服していても悪化する場合、ご連絡下さい。特に、鎮痛剤の効果のない高熱の持続や強い腹痛、多量出血などは速やかにご連絡下さい。

飲酒は大丈夫?

当日は安静にお過ごしいただくことが推奨されます。翌日からは、出血が落ち着いてくれば徐々に生活を戻していきます。入浴(シャワーは可)や性生活に関しましては、術後初回診察まではお控え下さい。

術後の診察はいつ?

手術日から約1~2週間で来院して頂きます。それまでに何かあればお問い合わせしていただき、必要な場合は診察いたします。少量の出血が続いていることもありますが、個人差があります。止血していても必ずご受診ください。

今後の生活や方針について

次の妊娠はどうしたらいい?

まずは一度きちんとした月経を確認していただくことが大切です。その後は、術前後の所見などにもよりますが、再度妊活に取り組むことが可能です。

不育症の検査については?

繰り返す流産の場合、不育症の可能性を考え検査をお勧めすることがあります。
当院では行っておりませんので、専門的な治療を行っている病院をご紹介いたします。